大田区立龍子記念館 子ども向け鑑賞&造形ワークショップ「観て、描いて、再発見 龍子を味わおう!」

大田区立龍子記念館での子供向けワークショップの様子

8/7 大田区立龍子記念館にて子ども向け鑑賞&造形ワークショップ「観て、描いて、再発見 龍子を味わおう!」を行いました。

龍子記念館は日本画家・川端龍子によって設立された彼の作品が展示されている美術館です。

今回は川端龍子の作品鑑賞に加えて、絵を描くのに使っていた絵の具「岩絵の具(いわえのぐ)」を実際に体験してみよう、という趣旨。

小学3~6年生24名に参加頂き午前・午後の2回に分けて実施しました(ありがたい事に定員超えで抽選となりました)。

 

(追記)取材映像がyoutubeにアップロードされました。

 

前半は館内で対話型鑑賞。アートコミュニケーター仲間の上田さんと2チームに分かれて、開催中の名作展「涼風を語る 龍子の描いた風景画を中心に」作品の中から1点づつ鑑賞鑑賞をしました。

 

川端龍子作品前で子供たちとの対話型鑑賞
上田さんは以前から龍子記念館で対話型鑑賞会を実施されている方。元「とびらプロジェクト」メンバー仲間でもあります
対話型鑑賞の様子
「葉と鳥の大きさが変!」「かくれんぼしている」「雨が降っているのでは」「強い風が吹いている」など、皆異なる視点から作品を読み取っていて、聞き応えがありました。

 

 

その後は絵の中の好きな部分を選んでもらい、和紙の貼られた色紙に鉛筆でスケッチしました。

その後記念館を出て、徒歩10分程の文化施設へ移動。私は先回り準備があり同伴しませんでしたが上田さんや学芸員さん、お手伝いの方々とお話しながら歩かれたようです。

 

川端龍子作品の前で子供たちのスケッチ
見上げる大きさの絵のスケッチだからかでしょうか。子どもたちはそっくりに描く事には執着しすぎず、真剣な眼で絵を観察していました。 

 

 

 

文化施設の工作室に到着すると、後半は日本画体験。かなりざっくりとした日本画材(岩絵の具)の紹介と作り方を指導しました。一色づつ絵の具を作る必要があったり、塗り心地が独特だったりと普段の図工とは異なる体験に夢中で取り組んでいました。

 

 

大田区文化の森での日本画制作
色紙での日本画制作
子どもたちは集中&真剣。短い時間の中、果敢な筆さばきでどんどん手が入ります。
日本画材をドライヤーで乾燥している
白の絵の具(胡粉)は乾くまで白が浮かびません。ドライヤーで乾かして加減を確認。

 

午前回・午後回合わせて24の素敵な作品が仕上がりました。本物のスケッチなので、図版模写のような画一さもなく一人一人の視点と個性がしっかり絵に出ていました。同伴していた親御さんもとても驚かれていました!わざわざ「この子の絵良いですよね!」と伝えに来て下さった方も。

日本画でのスケッチ完成品
日本画でのスケッチ完成品

 

敷居が高いと思われがちな日本画材(岩絵の具)ですが、うまくやりくりすればこんなに面白い素材はないと思っています。子どもたちも達成感ある表情でしたし、親御さんからもやってみたかったという声をいただけて嬉しい限りです。

 

一方で日本画=お年を召している人向け という先入観が強いようにも見受けられました。仕方ないとは思いつつ、日本画材で作品作りをしている身としては今回のようなワークショップを通じて少しづつ意識を変えていきたいです。

 

ワークショップを通じて少しでも川端龍子ないし記念館を身近に感じていただけたら本望です。龍子記念館は迫力ある大作が並んでいるのでぜひ一度足を運んでみて下さい。

川端龍子を描いたワークショップ用のイラスト
募集告知のビジュアルが無かったので、SNS用に描いた絵